小説「殺人出産」を読んだよ
10人産んだら、1人殺せる。
↑読んだ後こうなる↑
あらすじ ※Amazon商品ページより
今から百年前、殺人は悪だった。10人産んだら、1人殺せる。命を奪う者が命を造る「殺人出産システム」で人口を保つ日本。会社員の育子には十代で「産み人」となった姉がいた。蝉の声が響く夏、姉の10人目の出産が迫る。未来に命を繋ぐのは彼女の殺意。昨日の常識は、ある日、突然変化する。表題作他三篇。
こんなにゾッとする小説だとは思わなかった!
短編だしって気軽に読んだのが間違いだった!!
小説でグロいと感じたの初めてかもしれない。
読んでる間はずっと、不快。
でも、人に勧めたい。読んで欲しい。だってすごいから!
ところで10人産めば殺せるのって、その産んだ子供のことかと思ってた。
どうしても殺人衝動が抑えられない人のための救済みたいな…
それはそれで狂ってるけど…
まさか全く別の人を好きに選べるなんて。
10人産んだ「産み人」に選ばれた「死に人」
どちらも栄誉なことで崇められる。
生と死、産むと殺人、反対の意味のはずがイコールになったこの世界。
「死に人」はその運命から逃げられない。受け入れるしかない。
そもそも、この世界の人は大抵素直に受け入れる。
倫理観といったら…もうめちゃくちゃ。
もちろん少数派で、この制度に異議を唱える団体も出てくる。
今の私たちと同じ人達なんだけど。
それがかなりの少数派で冷遇されている。こわい。
価値観がぶっ壊れた世界。本当にこれがフィクションで良かった。
そもそもこんな発想ができるなんて、この村田さんすごくないか…
100年後の世界がこうなっていない事を切に願う。
絶対に無いとは言い切れないもんね。
短編とは思えないほどの重厚な内容だ。きつい。
主人公とその姉の最後のシーンはずっとこわい。
覚悟して読んで欲しい。
これ映像化、無理だろうなー。
「殺人出産」だけでなく他の「トリプル」「清潔な結婚」「余命」
そのどれもが、「殺人出産」に引けを取らない作品。
言っちゃ悪いけど、えぐい。ぐろい。
気分が悪くなること間違いなし。
これ一気に読めないんじゃないかな。
でも、衝撃に飢えてる人は良いと思うのでお勧めしちゃう。読んで。